家づくり

新築の室内ドアは上吊り引き戸がおすすめ!実際に住んでみて分かったメリット・デメリット

室内ドアを引き戸にしたメリット・デメリット

我が家の室内ドアの扉は、トイレとベランダの2ヵ所以外はすべて引き戸にしています。

家を設計してもらう際、設計者の方にできるだけ家の中のドアは「引き戸」にしてくださいと頼んでいたので、玄関ドアに室内ドア、押入れやお風呂にいたるまで、全て「引き戸」を採用しています

実際に建った家に住んでみて、家中の室内ドアを引き戸にして良かったと思えることがいくつもあります。ただ、やはりデメリットもありました。

どんな場所にどんな種類の引き戸を採用したのか、それぞれのメリット・デメリットを紹介したいと思います

引き戸の種類(開閉方法)と設置した場所

我が家が採用した引き戸の種類は引き込み戸片引き戸引違い戸の3種類です。

室内ドアは5ヵ所、収納扉として2ヵ所に引き戸を採用しています。

  1. 引き込み戸…LDK・1Fフリースペースの扉
  2. 片引き戸…洗面所・2Fフリースペース・寝室の扉
  3. 引違い戸…リビング収納・押入れの扉

引き込み戸(LDK・1Fフリースペースの扉)

引き戸の種類-引込み戸

扉を壁の中に引き込む(収納する)タイプ。

  • 開けっ放しにしても扉が見えないので、意匠的にスマートになる
  • 両側の壁に家具を置いたり、コンセントをつけられる

扉を開けると戸が壁の中に収納され見えなくなるので、意匠的にとてもスマートになります。扉を開けっ放しにしておけば、ワンフロアとして空間をつなげることもできます。
また、壁に扉を収納させるので両側の壁にコンセントを付けたり、家具を置いたりすることができます

夏や冬以外は、室内の引き戸を開けっ放しにしているのですが、窓を開けると家中に風が通ってとっても気持ちいいです。

反対にエアコンを使うときは引き戸を閉めておけば、5分もすればLDKの温度が変わるほど冷暖房効率が高いと実感しています。

  • 隙間にゴミが溜まっても、掃除ができない
  • 手を挟んでケガをする恐れがある
  • 扉が壊れたりした場合、修理するのが大変

戸袋(扉を壁に収納するスペース)にゴミやホコリが溜まっても掃除できません。また、取っ手も壁の中に収納されるので、扉を閉める際、手を挟んで怪我をする恐れがあります。

そして、万が一、ソフトクローズの機能が故障したときの修理が大変です。たまにソフトクローズが効かなくなることがあるのですが、とりあえず何度か開け閉めしていたら直るので今のところ修理が必要にはなっていませんが、直らなかった場合はどうやって修理するのか謎です。

引込み戸の引き残しを残す?残さない?

引き戸の種類-引込み戸(箱型回転取手)

我が家の引込み戸には箱型回転取手というものが付いています。これは扉を全開にすると取っ手が壁に隠れてしまうので、扉を閉めるときにこの箱型回転取手に指をひっかけて扉を引き出します。

引込み戸の場合は取っ手部分だけを壁の中に入れないように「引き残し」を作ったりするようなのですが、取っ手部分だけ壁から出ているというのが見た目にスマートではなくなるので、箱型回転取手を採用しました。

他にも扉を押すと出てくるポップアップ式取っ手部分だけ壁に欠けをつくって手を挟まないようにする加工など、色々できるようなので引込み戸にする場合はどんな方法があるのか確認しておくといいです。

片引き戸(洗面所・2Fフリースペース・寝室の扉)

引き戸の種類-片引き戸

1枚の戸が壁に沿って左右どちらかに開閉するタイプ。室内ドアの引き戸としてよく使われています。

  • 奥行きがない所にも扉がつけられる
  • 扉を開けっ放しにしても、邪魔にならない

開き戸のように前後に開閉スペースが必要ないため、奥行がないところでも扉がつけられます。洗面所の扉を開けっ放しにしておけば、風を通せるので、ホスクリーンに干した洗濯物が良く乾きます。

また、洗面所とお風呂の扉を開けておけば、エアコンの風が洗面所と浴室にも広がるので浴室暖房機などつけなくても室内の温度調整ができて便利です。

  • 扉2枚分のスペースが必要になる
  • スライドさせる側の壁には物が置けない
  • 開けっ放しにすると取っ手が隠れてしまう

扉を横にスライドさせるので、扉2枚分のスペースが必要になります。スライドする側の壁にはコンセントを付けたり、絵を飾ったりすることができません。

扉を開けっ放しにすると壁に取っ手が隠れてしまうので、閉めるときは反対側の取っ手を持って閉めなければいけません。

引違い戸(リビング収納・押入れの扉)

引き戸の種類-引違い戸

2枚の戸を左右どちらにでも移動させ開閉するタイプ。和室や押入れなどに利用されることが多い扉です。

  • 壁がなくても設置できる
  • 扉を開けっ放しにしても、邪魔にならない
  • 金具がないから、隅々まで物を収納することができる

壁がなくても設置することができるので、空間を区切る間仕切りとしても使えます。開き戸と違い扉の金具などがないので、隅々まで物を入れても出し入れできます。扉を開けておいても邪魔にならないので、押入れなどは湿気対策にもなります。

  • 全開することができない
  • 扉が反りやすく、開け閉めしにくくなる

どちらか一方にしか扉を移動させられないので、全開にすることができません。戸が反ってくると開閉しづらくなります。リビング収納の扉は木製でサイズが大きいので、扉が反りやすく、特に乾燥する季節になるとかなり力を入れないと開け閉めできなくなります。

引き戸の設置方法

引き戸の設置方法-レール式と上吊り式

レール式(溝あり)

床にレールを敷き、その溝の上を扉が動くタイプ。

上吊り式(溝なし)

天井や壁の上部にレールをつけ、扉を上から吊すように設置するタイプ。

引き戸にするなら上吊り式がおすすめ

我が家の室内ドアの引き戸はリビング収納以外、全て上吊り式にしています。上吊り式だと床にレールがなく、溝にホコリが溜まらないので、掃除がとっても楽になります。また、段差もなくフラットなので、見た目もスマートになります。

リビング収納がレール式の引違い戸なんですが、レールにホコリが溜まってしまい、掃除機をかけても吸い込めない時があるので、たまったホコリを手で掻き出しているときがあります。多少コストはかかりますが、引き戸にするなら上吊りがおすすめです。

付けてよかったソフトクローズ機能

人が出入りする室内ドアには「ソフトクローズ」機能がついています。いわゆる扉がバーンと音を立てて閉まるのを防ぐものです。少し力を入れて扉を閉めても最後の数センチになると扉が勝手にゆっくり閉まるのでうるさくありません。赤ちゃんや小さな子供がいる家などはかなりおススメです。

天井まであるハイドアにすれば空間が広がる

我が家の扉の高さは天井まであるハイドアを選びました。天井まである扉だと縦のラインが強調されるので空間が広く感じられます。引き戸だけでなく、室内ドアは天井まであるハイドアにするのがおすすめです。

引き戸のメリット・デメリット

  • 開けっ放しにできるから、部屋の中に風を通せる
  • 引込み式や上吊り式の引き戸は、意匠的にスマートになる
  • 空間を仕切れるから、冷暖房効率がアップする
  • 開閉スペースが必要ないから奥行のない場所でも扉がつけられる
  • 扉が反って開け閉めしにくくなる
  • 窓を開けていると風でカタカタと音が鳴る
  • 取っ手が隠れて、開け閉めしにくい
  • 下に隙間ができるため、遮断性や気密性が低い

室内ドアは引き戸がおすすめ

引き戸の最大の魅力は、開けっ放しにしていても邪魔にならないことだと思っています。

さらに、引込み戸や上吊り式にしておけば、家全体をワンフロアとして空間をつなげることができ、広さのない家でも開放的な空間にすることができます。

また、引き戸はバリアフリーでもあるので、今後、自分たちが年を重ねたとき、改めて引き戸にしておいて良かったと思えると思います。

もし間取りに余裕があれば、本当はトイレのドアも引き戸にしたかったぐらい本当に「引き戸」はおすすめです。